Guideline 2.1でリジェクト:App Storeの原因と対処法
著者:Mehdi Azizi
更新・9 分
Guideline 2.1 App Completenessの対象範囲、Appleのテスト方法、レビュアーへの返信方法を、自分のアプリで受けた3件のリジェクト実例と一緒に解説します。
Guideline 2.1は、審査で最も多くの申請を落としているルールです。Apple自身がApp Reviewのページにこう書いています。未解決の問題のうち、平均して40%以上が2.1に関するものです。2.1はクラッシュ、仮のコンテンツ、不完全な情報を扱うルールです。
この記事ではこのルールだけを扱います。対象範囲、2つのバリエーション、レビュアーがアプリをどうテストするか、何と返信すればいいか。自分のアプリで実際に受けた3件のリジェクトも紹介します。リジェクト理由の全体像を知りたい場合は、Appleがアプリをリジェクトする理由を読んでください。
Guideline 2.1 App Completenessとは?
Guideline 2.1は、Appleに提出するアプリが完成した最終版であることを求めています。クラッシュしない、リンク切れがない、仮のテキストがない、ログインが必要ならデモアカウントがある、App内課金が見えて実際に動く。レビュアーがアプリを最後まで操作できなければ、2.1でリジェクトです。
公式の文面はApp Review Guidelinesのセクション2「Performance」にあります。2つの項に分かれています。
2.1(a) は、すべての申請が最終版で、メタデータがすべて揃い、URLが機能していることを求めています。仮のテキスト、空のWebサイト、一時的なコンテンツはすべて提出前に消す必要があります。アプリはバグと安定性について実機でテスト済みでなければなりません。ログインが必要なら、デモアカウントを用意し、サーバーを稼働させておきます。アプリに組み込んだデモモードでアカウントの代わりにできますが、Appleの事前承認が必要で、アプリの全機能を見せる必要があります。すべてを要約する一文はこれです:「We will reject incomplete app bundles and binaries that crash」。
2.1(b) はApp内課金についてです。課金は完全で、最新の状態で、レビュアーから見えて、機能している必要があります。App Store Connectで設定した課金がアプリ内で見つからない場合は、その理由を審査メモで説明しなければなりません。
Guideline 2.1が実際に対象とするもの
実際には、2.1のリジェクトは次のどれかが原因です。
- クラッシュ。 起動時、権限を拒否した後、ネットワークがないとき。1回でもアウトです。
- リンク切れ。 プライバシーポリシー、利用規約、サポート。登録したURLはすべて開かれます。
- たどり着けない機能。 どこにも進まないボタン、突破できない必須画面、抜け出せないオンボーディング。いちばん厄介なのは、自分のiPhoneでは見えないケースです。
- デモアカウントがない、または期限切れ。 レビュアーがログイン画面で止まる、渡したアカウントが使えない、サーバーが止まっている。
- 埋め草のコンテンツ。 Lorem ipsum、「近日公開」、空の画面、見えているテストデータ。
- 見つからないApp内課金。 App Store Connectにはサブスクリプションがあるのに、レビュアーが販売画面を見つけられない、またはサンドボックスで購入が失敗する。課金画面でよくあるミスはiOSのペイウォール:初心者が犯す7つのミスにまとめています。
2.1 Information Neededと2.1(a)の違いは?
Appleからのメッセージはすべて同じタイトルではありません。そしてその違いで返信の仕方が変わります。
「Guideline 2.1 - Information Needed」 は、レビュアーが審査を最後まで終えられず、あなたに質問しているという意味です。ログイン情報、説明、ある機能へのたどり着き方が足りていません。まだバグの指摘ではなく、問い合わせです。App Store Connectで的確に返信するだけで済むこともあります。ただ、その質問がアプリの本当の行き詰まりを示しているなら、新しいビルドが必要です。
「Guideline 2.1(a) - Performance - App Completeness」 は、レビュアーが問題を確認したという意味です。クラッシュ、バグ、反応しない画面。メッセージには通常、使用したデバイスが書かれていて、スクリーンショットが添付されていることも多いです。この場合は修正して、ビルドを再提出し、それから返信します。
Appleはアプリをどうテストするか
レビュアーの立場になって考えてみてください。重要なポイントは3つです。
あなたが持っていないかもしれないデバイスでテストします。 リジェクトのメッセージには機種が書かれていることが多いです。ルール2.4.1では、iPhoneアプリは可能な限りiPadでも動作すべきとされています。iPhone向けに作ったアプリは、iPad上では互換モードで、iPhoneサイズのウィンドウで表示されます。自分が最近受けた2.1のリジェクトはiPad Airでの審査が原因でした。自分のiPhoneでしかテストしていないと、レビュアーが見ているものは見えません。
初回起動からスタートします。 新規インストールで、キャッシュもセッションも、ダウンロード済みのアップデートもありません。
ネットワークはIPv6のみで動く必要があります。 バックグラウンドモードに関するguideline 2.5.4の隣にあるルール2.5.5は、IPv6のみのネットワークでアプリが完全に動作することを求めています。AppleのIPv6サポートページでは、2016年6月1日以降に提出されるすべてのアプリの必須要件とされています。リスクになるのはハードコードされたIPv4アドレスです。Appleは、モバイルデータ通信をオフにしてIPv6のみのネットワークでテストするよう勧めています。
提出前にこうした条件を再現するには、複数のデバイスでTestFlightを使うのがいちばん簡単です。TestFlight:iPhoneアプリのテスト方法を参考にしてください。
自分が受けた3件のリジェクトと本当の原因
自分のアプリで最近受けた3件のリジェクトと、その本当の原因です。
Solys:iPadではクリアできないミニゲームのデモ
Solysはミニゲーム付きの目覚ましアプリです。2026年8月18日、あるビルドが「2.1 Information Needed」でリジェクトされました。Appleはゲームのミッションをクリアする方法を尋ねてきました。レビュアーはiPad Airで、iPhoneアプリを互換モードで動かしてテストしていました。
本当の原因はオンボーディングのミニゲームのデモにありました。障害物の高さが固定のポイント値で書かれていたのです。互換モードのiPadで使えるカードの高さでは、通り道がキャラクターより狭くなり、デモはクリア不可能になっていました。しかも「続ける」ボタンは勝ったときにしか有効になりません。出口がまったくなく、レビュアーはアプリを見ることができませんでした。
修正内容:カードの実測サイズに比例するレイアウトにし、負けた後に「デモをスキップ」リンクが出るようにしました。
教訓:プレイの結果で進めなくなるステップには、必ず無条件の出口を用意すること。そして必須画面はすべて、サポートする最小の画面とiPadの互換モードの両方でテストすること。
Nolera:レビュアーに見えなかった修正
2026年9月17日、NoleraはiPad Airでの審査の後にリジェクトされました。メッセージは2.1(a)とほかの指摘を合わせたものでした。指摘された問題の修正は、新しいビルドを出さずにリモートアップデート(OTA)で配信していました。
問題はこうです。レビュアーは初回起動時、ビルドに組み込まれたコードを見ます。後からダウンロードされるアップデートではありません。レビュアーにとって、その修正は存在しなかったのです。
教訓:審査向けの修正は、Appleに提出するバイナリに入れること。
Clic:原因はアプリの中になかった
2026年9月16日、Clicがリジェクトされました。アプリ自体は最新でした。本当の原因は別のところにありました。オンラインで公開していたプライバシーポリシーが、使っているAIプロバイダについて最新になっていなかったのです。このリジェクトは2.1というよりプライバシーの問題ですが、同じことを示しています。本当の原因は、メッセージから受ける印象どおりとは限りません。
教訓:リポジトリの中ではなく、オンラインに出ているものを確認すること。提出当日に、登録したURLをすべて開いてください。
Resolution Centerで何と返信するか
リジェクトされると、申請は「Unresolved Issues」になり、Appleとのやり取りはアプリのApp Reviewセクションで行います。今でもResolution Centerと呼ばれている場所です。App Reviewへの返信の公式手順では、メッセージは最大4,000文字で、添付ファイルを1つ付けられます。
英語で、簡潔に書きます。レビュアーが知りたいのは3つです。何が問題だったか、何を変えたか、どう確認すればいいか。自分が使っているテンプレートはこれです(ビルド番号と修正内容は自分のものに置き換えてください)。
Hello,
Thank you for your review.
Issue: the onboarding game demo could not be completed on iPad
(iPhone app running in compatibility mode), so the user could
not continue.
Fix in build 1.0.3 (42):
- The game layout now scales to the measured screen size.
- A "Skip demo" link appears after a failed attempt, so the
onboarding can always be completed.
How to verify: launch the app, start the onboarding demo,
lose once, then tap "Skip demo".
A screen recording is attached.
Best regards,
いくつかのルールです。
- 聞かれたことに答える。 「Information Needed」なら、背景からではなく、的確な答えから書き始めます。
- ビルドを明記し、手順を示す。 修正した画面までの道のりを3〜4ステップで書きます。
- 証拠を添付する。 レビュアーと近いデバイスで撮った短い動画があれば、やり取りが1往復減ります。
- 弁解しない。 App Review Boardへの異議申し立てもありますが、正当な2.1のリジェクトに対しては待ち時間が延びるだけです。期間の詳細はApp Store審査の期間にあります。
読んでも理由がはっきりしない場合は、Appleにリジェクトされたアプリのページに対応の全手順があります。
審査メモとデモアカウント
App Store Connectにあるバージョンごとのセクション、App Review Informationが、2.1に対するいちばんの防御です。各項目の公式リファレンスによると、内容は次のとおりです。
- Sign-in required:デモアカウントのIDとパスワード。このアカウントは期限切れにしてはいけません。アプリがサードパーティのログインを使う場合は、そのサービスのログイン情報を渡します。
- Notes:最大4,000バイト、言語は自由。テストに役立つことは何でも書きます。
- Contact:名前、メールアドレス、国際形式の電話番号。
自分が毎回メモに書いていることです。
- 各App内課金へのたどり着き方。 ルール2.1(b)が求めているとおりです。
- わかりにくい機能。 ジェスチャー、権限、時刻に連動するコンテンツなど。
- デモアカウントの状態。 課金済みかどうか、データが入っているか空か。
- 既知の制約。 再現が難しいハードウェアや環境については、Appleは動画を提出できるよう準備しておくことを求めています。
フォーム以外のルールもひとつ。審査期間中はずっとサーバーを稼働させておくこと。 テストサーバーが止まれば、デモアカウントが使えなくなり、2.1でリジェクトです。
提出前の2.1チェックリスト
自分のリジェクト経験をもとに作った、毎回の提出前に使っているリストです。
- サポートする最小のiPhone、最大のiPhone、互換モードのiPadに、まっさらな状態からインストール
- オンボーディングを最後まで通し、プレイが必要なステップではわざと失敗してみる
- すべての必須画面に無条件の出口がある
- 審査向けの修正をリモートアップデートだけで配信していない
- 機内モードで起動し、次にIPv6のみのネットワークで起動
- 登録したURL(プライバシー、規約、サポート)を当日すべて開いた
- 仮のテキスト、空の画面、テストデータが見えていない
- デモアカウントを提出当日にテスト済み、有効期限なし、サーバー稼働中
- すべてのApp内課金をアプリ内から見つけ、サンドボックスで購入と復元をテスト済み
- 審査メモに課金とわかりにくい機能の場所を書いた
初めての公開なら、その前段階の手順はすべてApp Storeでアプリを公開するにあります。
このリジェクトを経験済みの人と一緒に申請する
Apple Review Kitには、自分の提出前チェックリスト、テスター向けメモのテンプレート、提出前にプロジェクトを見直すClaude Codeのスキルが入っています。
2.1のリジェクトを受けたばかりですか?このキットは、引用されたルールとその要求内容を確認し、修正と返信の例を見つけるのにも役立ちます。今すぐ一緒に申請内容を見てほしい場合は、1時間のビデオ通話を予約してください。
Appleがアプリを承認すると保証できる人はいません。自分にできるのは、自分が審査1サイクル分の代償を払った2.1のリジェクトを、あなたが避けられるよう手伝うことです。
まだアプリを提出していませんか?無料診断では、2.1も含めたAppleのリジェクト対策チェックリストをお送りし、提出前に残っている作業をお伝えします。まだ開発中なら、トップページで最初から審査を意識してモバイルアプリを作る方法を紹介しています。
よくある質問
「Guideline 2.1 - Information Needed」とはどういう意味ですか?
レビュアーが審査を終えられず、あなたに質問しているという意味です。ログイン情報、説明、ある機能へのアクセス方法などです。App Store Connectで的確に返信してください。Solysのように、その質問がアプリの本当の行き詰まりを示しているなら、修正して新しいビルドを提出します。
2.1でリジェクトされたら新しいビルドが必要ですか?
クラッシュ、バグ、先に進めない画面なら、必要です。修正はバイナリに入っていなければなりません。レビュアーは初回起動時に組み込まれたコードを見るので、リモートアップデートでは足りません。単に情報が足りないだけなら、返信だけで済むこともあります。
アプリにログインが必要な場合、レビュアーに何を渡せばいいですか?
App Review Informationセクションに登録した、期限切れにならないデモアカウントと、審査期間中ずっと稼働しているサーバーです。アプリに組み込んだデモモードでアカウントの代わりにできるのは、Appleの事前承認がある場合だけで、全機能を見せる必要があります。
2.1のリジェクトはアプリ以外が原因になることもありますか?
あります。ストアページのリンク切れのURL、期限切れのデモアカウント、止まったサーバー、設定ミスのあるApp内課金だけでも十分リジェクトされます。Clicのように、本当の原因がコードではなくオンラインにあることもあります。レビュアーが開けるものはすべて確認してください。