Guideline 3.2.2 リジェクトの原因と対処法
著者:Mehdi Azizi
公開・9 分
3.2.2では、評価を条件に機能を開放することも、レビューに報酬を出すこともできません。報酬はアプリ内の行動に出しましょう。
Guideline 3.2.2には、Appleが認めないビジネスモデルが並んでいます。個人開発のアプリがよくはまる落とし穴は、評価、レビュー、ダウンロードと引き換えに特典を渡すことです。 レベルのクリアや広告の視聴のようなアプリ内の行動には報酬を出せます。App Store上の行動にはダメです。
僕は自分のiOSアプリを公開していて、Solys、TradaZen、NoleraがApp Storeに並んでいます。このガイドは、2026年10月15日に読んだAppleの公式テキスト(2026年6月8日版)と、開発者が公開した3.2.2のリジェクト事例をもとにしています。後で出てくるやり方は、どれも例です。レビューを求めるタイミングは別のルールの話で、Guideline 5.6.3のガイドで詳しく書いています。
Guideline 3.2.2には何が書かれている?
3.2.2は、App Review Guidelinesのセクション3.2「Other Business Model Issues」にあります。Appleはここで「Acceptable」のリスト(3.2.1)と「Unacceptable」のリスト(3.2.2)を並べています。どちらのリストもすべてを網羅したものではない、とも書いています。
現行版の3.2.2には10の項目があり、そのうち2つは空欄です。
| 項目 | 認められないこと |
|---|---|
| (i) | 他社アプリのショーケース |
| (ii) | 空欄(「omitted」) |
| (iii) | 広告の水増し、広告目的のアプリ |
| (iv) | 認可のない寄付 |
| (v) | 理由のないアクセス制限 |
| (vi) | 空欄(「omitted」) |
| (vii) | 他サービスでのランキング水増し |
| (viii) | 無免許のバイナリーオプション、CFD |
| (ix) | 年率36%を超える貸付 |
| (x) | 評価やダウンロードの強制 |
個人開発のアプリでいちばん大事なのは(x)です。「Apps must not force users to rate the app, review the app, download other apps」。機能やコンテンツ、アプリそのものを使う条件として、評価、レビュー、他アプリのダウンロード、その他ストア関連の行動を求めることを禁じています。続く一文が線引きです。「Apps may otherwise incentivize users to take specific actions within apps」。挙げられている例は、レベルのクリアと広告の視聴です。
セクション3の冒頭が、このルールを補っています。Appleはここで、「paid, incentivized, filtered, or fake」なフィードバック、つまりお金を払った、報酬を出した、選別した、偽物のレビューで水増しされた評価やランキングを問題にしています。最悪の場合、デベロッパープログラムからの除名もあると書かれています。
評価やレビューは買えません。お金でも、コインでも、機能の開放でもです。
3.2.2の対象外のこと
ネット上の記事には、現行のテキストでは別の場所にあるケースを3.2.2のせいにしているものがいくつかあります。個人開発のアプリに関係する近いルールは3つです。
- システムの機能に課金する:4.10。 Guideline 4.10は、プッシュ通知、カメラ、ジャイロスコープのようなデバイスやiOSの機能で収益化することを禁じています。iCloudストレージやScreen Time APIといったAppleのサービスも挙げています。
- 購入後に作業を課す:3.1.2(a)。 3.1.2(a)は、SNSへの投稿、連絡先の読み込み、アプリを一定回数開くといった追加の作業なしに、払った分のものが手に入ることを求めています。
- サブスクリプションへの移行:これも3.1.2(a)。 すでにお金を払った人から主要な機能を取り上げてはいけません。詳しくはGuideline 3.1.2のガイドにあります。
個人開発のアプリでよくあるケース
以下の4つは、ルールを説明するために作った例です。
評価と引き換えに機能を開放する
例:「アプリを評価するとダークテーマが使えます」。これはまさに(x)が禁じていることです。しかも技術的にも成り立ちません。Appleの評価ウィンドウは表示されないことがありますし、その人が評価したかどうかをアプリに教えてくれません。
解決策:何かがうまくいった後に、条件なしで、システムのウィンドウを使って評価を求めます。ダークテーマは別の方法で開放します。無料にするか、アプリ内課金にしましょう。
レビューやダウンロードに報酬を出す
例:「星5レビューで100コイン」、あるいは他のアプリをインストールするとコインがもらえるオファーウォール。前者はレビューを買っていて、しかも「星5」でレビューを選別しています。後者はダウンロードにお金を払っています。Appleのフォーラムで公開された2019年の3.2.2のリジェクトは、まさにオファーウォールが対象でした。「Your app includes content or features that can manipulate the user reviews or chart ranking on the App Store.」
解決策:アプリの中で起きる行動に報酬を出しましょう。チュートリアルを終える、3回勝つ、チャレンジをクリアする、といったものです。
リワード広告
リワード動画は認められています。(x)自身が、アプリが促してよい行動として「watching an ad」を挙げています。ただし制限が2つあります。(iii)は、主に広告を表示するために作られたアプリを認めていません。また、ある開発者が公開した2022年のリジェクトにはこう書かれていました。「The primary purpose of your app is to encourage users to watch ads or perform marketing-oriented tasks」。
別の開発者は、2021年に審査担当者と電話で話したと報告しています。その人によると、現金やギフトカードのように現実の価値がある報酬は認められず、アプリ内の報酬だけがOKだったそうです。広告は任意にして、報酬はアプリ内にとどめましょう。 広告でいくら稼げるかの計算はモバイルアプリはいくら稼げるかにあります。
無料だった機能を有料にする
例:それまで無料だったPDFエクスポートを、アップデートでサブスクリプションの中に入れる。3.2.2のどの項目もこのケースを対象にしていませんし、プランを変えること自体は禁止されていません。守られているのは、すでに支払われたものです。アプリがサブスクリプションに移行するとき、3.1.2(a)は、すでに払った人には買った主要機能を残すよう求めています。
注意点は2つです。Guideline 2.3.2は、説明文とスクリーンショットで、何に購入が必要かをはっきり示すよう求めています。ストアページを更新しましょう。審査メモでも変更を説明しましょう。僕ならさらに、義務ではなく自分の判断として、すでに使っていた人にはエクスポートを残します。モデルの選び方はサブスクリプションか買い切りかで比べています。
一覧表:やり方、3.2.2、ルールに沿った代案
提出前に毎回使っているチェック表です。真ん中の列は、そのやり方が3.2.2に当たるのか、別のルールに当たるのか、どれにも当たらないのかを示しています。
| やり方 | 3.2.2? | ルールに沿った代案 |
|---|---|---|
| 評価と引き換えに機能 | はい、(x) | 成功後にシステムで依頼 |
| レビューと引き換えにコイン | はい、報酬付きレビュー | クリアしたレベルにコイン |
| アプリのインストールで特典 | はい、(x) | アプリ内の行動に特典 |
| インストール型オファーウォール | はい、実際上 | シンプルなリワード動画 |
| 先に「このアプリ好き?」 | リスク、選別レビュー | 全員に同じ依頼 |
| 広告動画で特典 | いいえ、認められる | 任意のままにする |
| ほぼ広告だけのアプリ | はい、(iii) | まず本当の機能を |
| 広告視聴でギフトカード | はい、実際上 | アプリ内の報酬 |
| 有料の通知 | いいえ:4.10 | 自分のサービスに課金 |
| 購入後にシェアを要求 | いいえ:3.1.2(a) | 支払った時点で開放 |
| 無料から有料へ | いいえ、該当項目なし | ストアページとメモを更新 |
| 買い切りの取り上げ | いいえ:3.1.2(a) | 過去の購入を守る |
2点補足します。「はい、実際上」は、上で挙げた公開済みのリジェクト事例を指していて、これらのケースを名指しする項目があるわけではありません。満足した人だけを評価に誘導する「このアプリ好き?」は、レビューを選別していて、セクション3の冒頭が問題にしているものです。このケースそのものの公開リジェクトを読んだことがないので、リスクに分類しています。
3.2.2のリジェクトを直す
見出しの後の一文に、審査担当者が何を見たかが書かれています。Appleのフォーラムで公開された文面では、次の3つがよく出てきます。
- 「encourage users to watch ads or perform marketing-oriented tasks」:問題は1つの画面ではなく、モデル全体です。
- 「manipulate the user reviews or chart ranking」:レビューやダウンロードと引き換えの報酬です。
- 「displays or promotes third-party apps」:他のアプリの宣伝で、ある開発者によると広告の中でさえ対象になります。
次に:
- 文言だけでなく、仕組みそのものを外します。 コードに報酬が残っていれば、審査担当者は見つけます。新しいビルドを用意しましょう。
- 表の代案に置き換えます。 評価はシステムのウィンドウで依頼し、報酬はアプリ内の行動に出します。
- 具体的な審査メモを書きます。 何を変えたか、どこで確認できるかです。
- 異議申し立ては、アプリが誤解されたときだけにします。 まずApp Store Connectで返信しましょう。その後、App Review Boardへの申し立ては、リジェクトされたアプリ1つにつき1回だけです。
僕が使う審査メモのテンプレートです。英語なので、自分のアプリに合わせて直してください。
Hello App Review team,
Thank you for your feedback regarding Guideline 3.2.2.
What changed in build [X]:
- Users no longer receive [reward] for [rating the app /
writing a review / downloading other apps].
- [Feature] is now available [for free / through in-app
purchase], with no store-related action required.
- Ratings are requested only through the system prompt,
after [completed action], for every user.
Where to check: [screen > step].
Best regards,
[Your name]
送るビルドに実際にあることだけを書きましょう。
提出前の3.2.2チェックリスト
- 評価、レビュー、ダウンロードを条件にした機能やコンテンツが1つもない。
- 「正直な」レビューであっても、レビューへの報酬がない。
- 評価の依頼は全員に同じで、事前の振り分けの質問がない。
- 報酬はアプリ内の行動から生まれ、アプリ内にとどまる。
- リワード広告は任意で、広告なしでもアプリに本当の機能がある。
- システムの機能そのものに課金していない。
- 無料の機能を有料にする場合、ストアページと審査メモにそう書いてある。
次の提出からルールに沿ったビジネスモデルを
3.2.2でリジェクトされたばかりなら、Review Kitが、指摘されたルールとその要求を見つける手助けをしてくれます。審査担当者向けのメモのテンプレートも付いています。ビジネスモデルを組み立てている最中なら、iOS & Android Kitに、オンボーディング、ペイウォール、サブスクリプションがコード済みで入っているので、設定するだけです。よくあるペイウォールのミスはiOSのペイウォール:初心者のミスにまとめています。人の目で見てほしいなら、僕と1時間のセッションを予約してください。
全体の流れはAppleにリジェクトされたアプリのページに、技術面はiOSのアプリ内サブスクリプションのページにあります。初めてのリリースを準備しているなら、無料の診断を受けてください。手順を正しい順に並べ直し、僕のApple審査リジェクト対策チェックリストを送ります。トップページでは、最初から審査を意識してモバイルアプリを作る方法を紹介しています。
よくある質問
「Guideline 3.2.2 - Business - Other Business Model Issues - Unacceptable」とはどういう意味?
Appleが、あなたのビジネスモデルを3.2.2で認められないやり方の1つだと判断したということです。見出しの後の一文が問題を具体的に示しています。アプリの中心が広告になっている、他のアプリを宣伝している、レビューに報酬を出している、などです。メッセージに項目番号が書かれていないこともあるので、リストと自分の報酬の仕組みを見直しましょう。
App Storeのレビューと引き換えに報酬を出せる?
出せません。セクション3の冒頭は報酬付きレビューを問題にしていて、(x)は評価を機能の条件にすることを禁じています。評価はシステムのウィンドウで、全員に同じ形で、何も約束せずに依頼しましょう。
リワード動画は認められている?
はい。(x)は、アプリが促してよい行動として「watching an ad」を挙げています。リジェクトされるのは、広告がアプリの目的になったとき、またはギフトカードのように報酬がアプリの外で現実の価値を持つときです。
無料だった機能を有料にできる?
テキストは禁止していません。守られているのは支払われたものです。3.1.2(a)は、買った人から主要機能を取り上げないよう求めています。2.3.2の要求どおりストアページを更新し、審査メモで変更を説明しましょう。
Guideline 3.2.2と5.6.3の違いは?
5.6.3はApp Storeの操作を禁じていて、Appleは初回起動時のような不適切なタイミングの評価依頼にもこれを適用します。3.2.2はビジネスモデルが対象です。評価と引き換えにロックされた機能や、報酬付きのレビューやダウンロードです。同じ評価依頼が両方に引っかかることもあります。

